RAIDに関連する用語や機能について説明します。
「内蔵RAID」とは、RAIDコントローラにハードウェア(ASIC)が設けられていて、システムCPU(ホスト)にRAIDコントローラが不要であるという意味です。その結果、サーバはコアアプリケーションの処理に専念でき、全体のパフォーマンスが向上します。このハードウェアのサポートが利用できない場合に、「ホストRAID」を使用します。
説明を簡単にするために、サポートされるRAIDの種類では、どの種類のRAIDもすべて同じサイズのディスクドライブを使用することを仮定しています。実際は、各ドライブの容量が異なっている場合、各ドライブ容量は一番容量の小さいディスクドライブによって制限されます。
例えば、RAID-1が160GBと80GBのドライブで構成されている場合、容量が大きいほうのディスクは半分の80GBしか使用できません。さらに、各ドライブの一部が、いわゆるRAIDシグネチャ用に除外されます。
RAIDコントローラは、接続されている各ドライブの最初または最後の小さなセグメントを使用して、コントローラに接続されているドライブやアレイに関する情報を保存します。このセグメントはRAIDシグネチャとも呼ばれ、ユーザデータの保存などの一般的用途には使用しません。
あるRAIDタイプから別のRAIDタイプへの移行、ストライプサイズの変更といった、拡張オプションによる既存の論理ドライブの変更(モーフィング)をサポートするRAIDコントローラもあります。移行オプションは、使用しているRAIDコントローラによって異なります。
詳しくは、論理ドライブの変更をご覧ください。
ほとんどのオペレーティングシステムは Online Capacity Expansion (OCE) をサポートしています。OCEにより、システムを再起動せずに論理ドライブの容量を拡張し、利用することができます。ストレージ容量の追加についての詳細は、各OSのマニュアルをご覧ください。
RAIDコントローラは、SESやSAF - TE筐体管理用ハードウェアを使用する外部ドライブ筐体もサポートしています。この拡張ハードウェアサポートによって、筐体のファン速度、温度、電圧などの追加の管理情報を表示できます。通常、このような筐体では、ホットスワップなどの追加のプロパティも提供されています。
SATA技術や、上記のドライブ筐体を使用して、RAIDコントローラはホットスワップと呼ばれる機能をサポートし、システムを再起動せずに、稼動中にディスクドライブを交換できます。
注意:ハードディスクのホットスワップが可能なのは、ディスクをあらかじめオフライン状態にした場合だけです。
ホットスペアは、冗長化された論理ドライブにおいて、障害の発生したディスクに取って代わり使用できる物理ドライブのことです。ドライブで障害が発生すると、ホットスペアがそのドライブに取って代わり、論理ドライブを再構築します。次に、新しいディスクにデータを再生成します。データへのアクセスは常に可能ですが、再構築が完了するまでは、アクセスにかかる時間は少し長くなります。
RAIDコントローラは、次のホットスペアの種類をサポートしています。
注意:新たに追加した未使用のドライブを、グローバルホットスペアに自動的に割り当てるRAIDコントローラもあります。
一貫性チェック動作によって、RAID-1、RAID-5、RAID-6、RAID-10、RAID-50、RAID-60(RAID-0にはデータの冗長性はありません)を使用する論理ドライブのデータの正確性をチェックします。例えば、パリティが存在するシステムでは、一貫性チェックとは、1つのディスク上のデータを算出して、その結果をパリティディスクの内容と比較することです。
整合性確保(MDC)では、データの正確性をチェックするだけではなく、不整合なデータを自動的に修復しようと試みます。
注意:最低、月に一度は一貫性チェックを行うことを推奨します。
コピーバック機能によって、データを論理ドライブのコピー元ディスクから、論理ドライブの一部ではないコピー先ディスクにコピーできます。コピーバックは、アレイの特定の物理構成の作成や復元(装置のI/Oバスのアレイメンバの特定の配置など)に使用されることが多いです。コピーバックは、自動でも手動でも実行することができます。
通常、ディスクに障害が発生した場合や、発生することが予想されている場合は、データはホットスペアに再構築されます。障害が発生したディスクは、新しいディスクに交換されます。次に、データがホットスペアから新しいディスクにコピーされ、ホットスペアは再構築用のディスクから元のホットスペア状態に戻ります。コピーバック動作はバックグラウンドの処理として実行され、論理ドライブはホストに対してオンラインで利用可能です。
コピーバックは、論理ドライブの一部であるディスクでSelf-Monitoring Analysis and Reporting Technology(SMART)の最初のエラーが発生した場合にも開始されます。コピー先のディスクは、再構築用のディスクとして利用可能なホットスペアです。SMARTエラーが発生したディスクには、コピーバックが問題なく完了した後に障害発生のマークが付けられます。これにより、アレイをクリティカルにすることを回避できます。
バックグラウンド初期化は、仮想ドライブを作成すると強制的に実行される一貫性チェックです。仮想ドライブを作成すると5分後に自動的に実行されます。
バックグラウンド初期化は、ディスク上のメディアエラーをチェックします。これによって、ストライピングされたデータセグメントがドライブグループ内のすべてのディスクで同じになります。バックグラウンド初期化レートのデフォルト値は30パーセントで、これが推奨値です。再構築率を変更する前にバックグラウンド初期化を停止する必要があります。そうしないと、リビルドレートの変更がバックグラウンド初期化レートに反映されません。
パトロールリードには、システムのディスク障害の原因になるディスクエラーの可能性のチェックと、エラーの修正アクションが含まれます。目的は、障害によってデータ損失が発生する前にディスク障害を検出することにより、データの整合性を保護することです。修正アクションは、アレイ構成やエラーの種類によって異なります。
パトロールリードが開始されるのは、コントローラが一定時間アイドル状態で、実行中のバックグラウンドタスクが他にない場合だけです。ただし、負荷の大きいI/O処理中も継続して実行されます。
MegaRAID CacheCade Pro 2.0 リード/ライト ソフトウェアは、頻繁にアクセスするデータをインテリジェントでダイナミックに管理し、HDDボリュームから一ランク高いパフォーマンスを持つSSDキャッシュにコピーすることで、手動で構築するハイブリッドアレイの必要性を排除します。フラッシュキャッシュに頻繁にアクセスするデータ(ホットスポット)をコピーしておくことで、時間のかかるトランザクションからプライマリHDDアレイを解放し、より効率的なHDDの運用、レイテンシの低減、リード/ライト速度の高速化を可能にします。これにより、Web、ファイル、オンライン取引処理(OLTP)データベース、データマイニングシステムや、その他のトランザクションが集中するアプリケーションを含む、多種多様なサーバーアプリケーションについて、全体的なシステムパフォーマンスをHDDのみの構成の2~12倍に著しく改善します。
MegaRAID FastPath ソフトウェアは、MegaRAIDコントローラカードに接続されたSSDアレイに向けた高性能なI/Oアクセラレータです。この先進的なソフトウェアは、SSDに6Gb/s MegaRAID SATA+SASコントローラが接続された構成で、劇的にストレージサブシステムと総合的なアプリケーションのパフォーマンス(特に高負荷のランダムリード/ライト動作時)を引き上げることが可能なように MegaRAIDテクノロジ に最適化されています。
SSDボリュームを使用することにより MegaRAID FastPath software から最も恩恵を得られるアプリケーションのワークロードは、OLTPのように高いトランザクションのスループットを必要とする、小規模でランダムなI/Oパターンです。